top of page

エンディング

知え2.png

答えは、

「くらし」あと「すてき」

マスター2.png

「お見事だ」

 

「おじいちゃん!」

「マスター!」

 

「君たち二人だけのために作ったこの謎解きはどうだったかな。私のメッセージが伝われば良いのだが。一つ質問をしよう。暮らしと素敵という答えを君たちはどう受け止めるか。その答えによっては、私はこのサニーを閉めようと思っている」

 

「え?」

「ここを閉めるんですか?」

 

「覚悟はしておる。さて、どっちから答える?」

福たろう2.png

「では、僕からお答えします。今までに旅行が好きでしたので色々な地域を見てきました。歴史や文化や伝統に紐づけられるきれいに整備された観光地だけでなく、その地域に住む人との交流も楽しかったです。謎の人物から届く謎を解いていて思い出しました。暮らしている人にしか気づけないような素敵な景色がまだまだたくさんあるんだなと」

「合格だ。福たろう君にはしっかりと伝わっていたようだ。では次は知えにも聞こう」

 

・・・え?次は私。

すごく緊張してきました。

私の答えが間違っていたらサニーは無くなってしまうのかと思うと押しつぶされそうです・・・

 

「知えちゃん。ハンカチ」

「あれ?私泣いてた。福たろうさんありがとう」

 

この沈黙がすごく不気味です。よし思ったままを答えよう。

 

「最初はすごくびっくりしたよ。いつも開いているおじいちゃんのサニーが閉まっていたから。なんでだろうと思って本当に心配したの。今朝になっておじいちゃんの作った謎解きなんだと思ったんだけど、いつまでも安心してたらダメなんだろうなって気がつかされた」

 

「それは悪いことをしたなぁ。すまんかった。で、それだけかな?」

 

「まだあるよ。色んな人がこのお店を好きでいてくれて、同じようにきっとこの街を好きでいるんだろうなと思った。今日だけじゃないんだけど福たろうさんと話していると、私には気づけない良さとかに気づいていてこの街にはまだまだ素敵な所があるんだろうなとか、素敵な街で素敵な人と暮らしていきたいなとか思ったよ。おじいちゃんお願いやめないで」

マスター2.png

「決めた。サニーを閉めようと思う」

 

 

「どうしてですか」

「私の答えがだめだったのかな」

 

「まあ聞きなさい。知えも合格だ。私はこの謎喫茶サニーを君たち2人に譲ろうと思っただけだ。知えはここで働きたいと言った事があったな。だがその時はまだまだ経験不足だと判断した。居心地の良さと言うのは時に人をダメにしてしまう。あの時は心から嬉しかったが社会の厳しさも味わってほしかったのだよ。福たろう君は、君は気付いてないようだが素直で誠実で正直な男だ。アルバイトの頃に知えが帰った後、知えの事をよく褒めていたなと思ってね。こればっかりは二人の事だから私は黙っておくがね。それ以上に福たろう君は喫茶店をやりたいんじゃないかなと思っておった」

 

「おじいちゃん、急にそんな事言われても困るよ」

「僕は福知山が好きです。知えさんの影響で謎解きが好きになりました。ここで喫茶店をやりたいと思います。明日からすぐにとはいかないですが」

「え!福たろうさん?福たろうさんには絶対に無理だと思います」

「え?なんでですか」

「私がいればなんとかなると思いますが」

ライン画像.png

「エアコン壊れてるんすか?あっついなー」

「配達と謎解き。今度作ってみませんか?」

「ひっひっひー。マスターからお話聞いた時に絶対に上手く行くと思ったんだよね。知えちゃん分かりやすいからね」

「電車に乗って旅行と謎解きも中々いいと思いますよ」

 

「みんないる」

「皆さん。今までサニーをありがとうございました。これからはこの二人の若者にバトンを渡そうと思います」

 

「マスターの引退もそれはそれで寂しいな」

 

「いや。私はお客として多分、毎日いると思います」

 

 

 

日々の暮らしの中にある、ステキな驚き

そう、ここは、いがいなステキに出会えるまち 福知山

https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/site/promotion/ より)

 

マスターからの奇妙な手紙 おしまい

bottom of page